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メリットとデメリットを併せ持つドルコスト平均法の誤解を考える

2016/11/14

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先日、日経系の金融ウエブサイトで、ドルコスト平均法に関する記事を読みました。この記事を読んで改めて、ドルコスト平均法に関する誤解があるのではと感じました。また、このことをFPと呼ばれる金融のプロフェッショナルが書いていると聞いて二重の驚きなのですが、ドルコスト平均法について私見も交えながら整理してみることにしました。

ドルコスト平均法とは

ドルコスト平均法とは一般的にこのような意味として活用されます。

ドル・コスト平均法 (英: dollar cost averaging)とは、株式や投資信託などの金融商品の投資手法の一つ。 定額購入法ともいう。 金融商品を購入する場合、一度に購入せず、資金を分割して均等額ずつ定期的に継続して投資する。(ウィキペディアより引用)

アメリカではドルコスト平均法、イギリスではポンドコスト平均法というらしいですよ(どうでもいい話ですが)。自国の通貨名がついているということですから欧米ではユーロコスト平均法とかいうのでしょうかね。

話は逸れましたが、このドルコスト平均法は投資初心者に勧められることが多い投資手法でもあります。

ワタシも時々知人や家族から株を始めたいなどと相談を受けることがあります。実際、先日もワタシの親から退職金が入ったので良い運用先はないのか、という相談を受けたことがあります。既述の上記某ウエブサイトにおいても、2000万円の退職金が800万円まで目減りしたエピソードが記してあります。

集中投資・一括投資は、資産が一気に目減りするリスクがある、よって、何回かに分けて投資するドルコスト平均法が有効だ、という理屈が横行しています。

投資を始める前に考えるべきこと

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ドルコスト平均法が万能ではないことは改めて言及する必要はないと思いますが、そもそも、一気に集中投資することと分割して投資する、ということを述べる前に、考えなければならないことがあります。それはリスク許容度の問題です。

FPの書く記事なら当然資産運用にあたって、リスクをどれだけ見込むのかということも触れてしかるべきですが、どうやって買うのか、損をしない買い方はなにか、といったテクニカル的な投資手法のことばかりにスポットが当たっています。それよりも初めて投資を行う初心者なのであれば、なおさら、リスク許容度について整理しておく必要があります。

具体的には、余裕資産であること(つまり、ゼロ円になっても許容される限度額)、投資期間、目標額など。こうした達成目標や目標達成までに至る手法は個人によって異なります。1億円の不労所得が定期的に入る人の2000万円と年金をもらいながら一時所得としてもらった2000万円とでは個人によって差が出ます。このことをまず考えることが必要なのです。

ドルコスト平均法を述べる際の矛盾

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ドルコスト平均法のメリットを述べる際に必ず引き合いに出されるのが、バブル崩壊前後の日経平均株価です。

この理屈として前提となる部分は以下の2つの条件があります。

① 積立期間中は株価が下がり続けていること
② 現時点で株価が上昇していること

この2つの条件を満たしているのが日経平均株価で、いわばドルコスト平均法のメリットを訴えるのにうってつけの指標であるだけの話です。

これが、NYダウだったらどうなのでしょうか。コツコツ行くよりは集中投資したほうが儲かったじゃない、とも言えますよね。

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日経平均株価でもNYダウにしても現時点の株価を切り取ったものですし、株価の上下はあくまで「結果」でしかありません。株価の将来の行く末が分からないものに対して投資するのであれば、投資する回数を1回がいいのか複数回とするのがいいのか、といった議論はあまり意味がないのではないでしょうか。

資産運用や投資においては含み損は必ずついてくる話です。そもそも2000万円を800万円にした、という話が本当かどうかはわからないのですが、この原因となるのはリスク許容度の算定が甘いか、投資対象に問題があったかのいずれかなのだと考えます。

自身の資産は自分で守る

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ドルコスト平均法には、複利の最大化とか積立による無理のない追加投資など長期にわたる手法としてメリットになる部分もあります。これを逆手に取って、金融商品の手数料をもっともらしく正当化する根拠にもなっているという話も聞きます。

ドルコスト平均法には販売手数料無料(ノーロード)で信託報酬ができるだけ安いものを選ぶのがベストです。資産運用である以上、無駄なコストは極力減らすことが大切ですね(こういう意味で投信はインデックスファンド一択だと信じてやみません)。

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日本人は株式投資などの資産運用が嫌い、とよく言われます。汗をかいて働いて稼ぐことが美しいという根強い考え方もあるでしょう。また、日本株は外的要因に影響を受けやすく、バブル崩壊を始めとした〇〇ショックといった大暴落の心理的なツメ跡が国民の心に刻み込まれていることも原因のひとつでしょう。

そのような中、今回の記事のように金融の専門家と言われる人たちが誤った情報を垂れ流すご時世です。そして、ワタシ達に手数料の高い投資信託や債券を売り付けようとするあくどい証券会社がうよいよいます(全ての証券会社がそうとは言ってませんよ)。結局、自分の資産を守ることができるのは自分だけです。

少しでも正しい運用知識を習得するために、我々個人投資家は日々努力していくしかないのかもしれませんね。

 

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