教育

いまのやり方じゃ待機児童なんて減らないでしょ?と思ったワケ

世田谷区作成「保育園てなあに?」より抜粋

少し前になりますが、毎年梅雨の時期になりますと、自治体別に保育園の待機児童数ランキング的なニュースが掲載されていますね。

待機児童、高止まり続く、都内32区市

東京都内の4月時点の待機児童数は29日までに回答した32区市で2016年4月比0.4%減の7142人に上ることが、日本経済新聞の調査で分かった。前年より増えたのは大田区や府中市など16区市だった。全体で受け入れ枠を約1万9000人分増やしたが、子供を預けて働きたいという保育需要の伸びに追い付かず、待機児童数の高止まりが続いている。
2017/5/30 7:01日本経済新聞 電子版より抜粋

待機児童問題は毎年繰り返されていていつまで経っても解決の糸口は掴めません。

根本的な問題は「措置」だから

政府は一億総活躍とか言っている一方で、「保育園に入れないんじゃ働けない」という声も聞かれますけど、これは保育園に入園させることが権利ではないからです。

児童福祉法24条に以下のような記載があります。

児童福祉法 第二十四条  市町村は、この法律及び子ども・子育て支援法 の定めるところにより、保護者の労働又は疾病その他の事由により、その監護すべき乳児、幼児その他の児童について保育を必要とする場合において、次項に定めるところによるほか、当該児童を保育所(認定こども園法第三条第一項 の認定を受けたもの及び同条第九項 の規定による公示がされたものを除く。)において保育しなければならない。

保護者が子供を監護できない場合に限り、自治体が対処しなければならない、とされています。働き方改革や一億総活躍社会といっておきながら、子供を預けることは権利にはなっていないというのが現状です。

保育園は「福祉施設」

子どもは親が面倒を見るべき、という考え方は前提条件のもと、自宅から遠い保育園を指定されたり、兄弟で違う保育園に入園させられたりするのです。保育園はあくまで福祉施設です。

当然に働ける社会なのだから保育園に入園できるという保護者の認識との間に大きなズレがここにあります。

待機児童問題の不思議

そもそも、学校の場合は小学生が多すぎて空きが出るまで待っててくださいなんて言われないわけですよね。では、なんで保育園ばかりが待機児童問題で悩まされるのでしょう。

待機児童をなくすために自治体は涙ぐましい努力をしています。駅前に送迎バスを用意したり、公園の中に保育園を工面したり、子ども園のように幼稚園と保育園を合体させたり。

しかし、根本的な課題が解決されないまま、いくら小手先の対処を講じたところで問題の先送り・いたちごっこにしかなりません。

幼児教育の重要性が確認されている中で、教育年齢を引き下げるとか、文科省との垣根を越えて幼児から小学校との一貫教育が可能とするとか抜本的な枠組みを見直すような議論にならないのが不思議です。

なんとかフライデーとかキッズウイークとか考えるヒマがあったら、もっと考えるべき重要な課題があるはずです。

国家の存立にかかわる問題として

特に少子化が進む中で、子どもの問題は国家の存立にかかわる課題として優先して取り組むべきです。それは高齢者かこども施策かで対立する課題ではありません。

以前、経産省の若手職員が作成して有名になった「不安な個人。立ちすくむ国家」ではないですが、子どもの問題こそ昭和次代を前提とした枠組みから脱してあらたな社会基盤を整備して行く必要があるのではないでしょうか。

 

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