日経マネー7月を読みました!
そう言えば少し前の話なんですけど、日経マネー7月号を読みました。
あれっ?マネー雑誌って嫌いじゃなかったっけ?
もちろん、お金を払わずに無料で読みましたよ、近所の図書館でね。その中で個人投資家から学ぼう、みたいな記事があったんですけど、興味があるのがかぶ1000さんのコーナー。
かぶ1000さんと言えば、低PBR投資で有名ですよね。
で、実際の投資基準が書いてあったので…
こういう情報を見ると会社四季報CD-ROMで検証したくなるなあ
ということで、ワタシが会社四季報CD-ROMのスクリーニング機能を使って、かぶ1000さんの基準でどれぐらい儲かるのか、ざっくり検証してみることにしました!
かぶ1000さんのスクリーニング要件
日経マネーの記事によると、スクリーニングにかける条件は以下のとおりとなります。

(1) 正味流動資産を計算する
正味流動資産=現預金+受取手形及び売掛金+有価証券+投資有価証券
(2) 総負債を計算する
総負債=流動資産等の引当金+負債合計
(3) 正味流動資産から総負債を引く
(4) (3)と株式の時価総額を比べて多かったら買い、とする。
まあ、簡単に言えばこんな感じです。要件としてもシンプルなのでスクリーニングしやすそうです。
スクリーニングで検証した結果

ということで先ほどのスクリーニング条件をもとに抽出したデータをご紹介したいと思います。
検証方法はこんな感じ
- 2期前の決算数字で正味流動資産、総負債を計算する
- 株価は2018年4月末を基準として、5月24日付でのパフォーマンスを計算する。
- サンプルとして連結決算銘柄を対象とする
スクリーニングでかけたところ、ネットネット株(正味流動資産から総負債を引いた金額が株式時価総額よりも大きい銘柄)は48銘柄となりました。
この48銘柄に対してパフォーマンスなどを見ていきましょう。
割安株上位10銘柄
まず、資産から負債を引いた額と時価総額の差が大きい上位10銘柄を表にまとめました。

おお、昭和HDとかウェッジHDとか、上位からして怪しい銘柄が続きますね!
「株価補正済み」と書いてある箇所がパフォーマンスを示しているのですが、お得度上位10銘柄のうち上昇したのはわずか2銘柄という点。
基準は昨年の4月終値なので、この1年間の軟調な地合いだったことを考えれば仕方がないことかもしれません、
でもね…
低PBR銘柄って底値が高い、下がりにくい、なんてこと誰かが行ってなかったっけ?
そうなんです、にも関わらず、ご覧のとおり全然底堅くないですよね。
株価上昇した10銘柄
じゃあ、逆に株価が上昇した10銘柄をご紹介しましょう。

日本アンテナ、新潟放送など地味な銘柄が続きますね!さすがPBR投資、という印象を受けます。
興味深いのは株価上昇の理由が、黒字転換や上方修正という点。
低PBR銘柄で業績面でのハードルが下がっているとはいえ、株価上昇のカタリストはやはり業績なのか、という点は印象的です。MBOなど低PBR銘柄独特の理由で株価が上昇している銘柄はあまり散見されませんでした。
低PBR投資は大したことない?
この結果をみてどうでしょう?
48銘柄中、上昇したのはわずか9銘柄。ネットネット株上位10銘柄の中でも上昇したのはわずか2銘柄だけ。
なあんだ、低PBRって大したことないんだ
そう思われても仕方がないかもしれません。というか、スクリーニングしてヒットした銘柄をそのまま買えば儲かるほど株式投資って甘くないってことです。
また、今回調べたネットネット株が日経マネー7月号に掲載されていた銘柄と全然かぶっていないのも興味深いです。
今回の検証でわかったこと

ということで、案の定ではありますが、今回検証した結果で分かったことをまとめてみます。
スクリーニングしただけでは儲からない
もしも今回の検証で儲かるのであればスクリーニングできる人は簡単に大金持ちです。そんなことはありえません。
世に出回っていない数字を調査する
低PBR投資は、簿価と時価の差に着目する必要があります。これは単に決算書だけを流し読みするだけでは知りえることはできません。
要は調査にそれなりの汗をかかなければいけないってことです。
人のマネをするだけではうまく行かない
個人投資家向けマネー雑誌に個人投資家の成功例が掲載されていますが、これをそのままマネをしてもうまくいくことはありません。
人のマネをして失うのはマネーだけじゃないってことなんだね…
だじゃれかっ…
最後に
ということで日経マネー7月号のかぶ1000さんの投資手法について調べてみました。
なお、一応、自分なりに正確性を確認しながらスクリーニングをやっていますが、誤りがあるかもしれません。あくまでザックリ分析と言うことでご了承を。
個人的には低PBR投資ってワタシも一時期やったことがあるんですけど、相当なセンスが求められるのでワタシ自身、いい思いをしたことがないです。
マネー雑誌は単にマネをするだけでなく、試行錯誤しながら自分なりの投資手法を磨くためのツールとして活用するべきだと思います。
興味のある人はこちらから。決して図書館で借りないように(^ ^)