桜井章一著「流れをつかむ技術」を読んだ

かなり前にAmazonのKindleで購入した桜井章一氏の「流れをつかむ技術」を読了しました。
この本を手に取った理由は単純で、当時(購入したのは夏ごろなのですが)、馬券も株の調子が悪くてですね(笑)
気持ち的にむしゃくしゃしていて手に取ったのがこの本です。
ギャンブルのレベルにもよりますが、競馬も麻雀と同じように株はギャンブル性の強いゲーム…いや、ギャンブルそのものと言っても過言ではないかもしれません。
もしも、あなたが相場の流れをつかむことができたらすごいと思いません?
ひょっとしたら瞬時に株で大儲けして大金持ちになれるかもしれないんですよ。そんな投資家として純真な?気持ちで手に取ったのが桜井章一氏のこの本だったのです。
桜井章一氏って誰?
まあ、麻雀をやるひとにとっては知らない人はいないと言われるほどの有名人。
桜井章一氏はプロの雀士。雀鬼流と言われ、昔は裏プロと言われる厳しい麻雀社会で20年間無敗と言われました。
雀士が書いた本?
株式投資をやっている人間からすると、そんなギャンブルと一緒にするなよ、と叱られそうです。
でも、麻雀と株の共通点があります。それは勝つよりも負けないことを重視する点。そして、究極にはメンタルが重要である、という点です。
これまでの裏社会の経験を活かし、相談に訪れるプロスポーツ界のトップアスリートにも助言を行うこともあるそうです。
流れをつかむにはどうしたらよいのか
プロの雀士が書いた本でありますが、文章の表現は饒舌で的確、本の中身は珠玉の言葉で溢れていて時に感動さえ覚えました。
では、勝負の流れをつかむにはどうしたらよいのか。ポイントだけ整理するとこんな感じになります。
- 勝敗にこだわらない。勝つという結果よりも、負けたときの過程にこそ意味を見出すことができる人が真の強者である。
- 何事も強く求めようとする人は流れをつかみ損ね、失敗を重ねていく。
- 自分の感覚を磨くことを大事にする。考えるよりも感じることを重視する。
- 目先の勝ちを打ち消しても次につながることを重視する。
- プロセスを大事にする。「成功すること」ではなく「人間として常に成長していくこと」が大事。
- 分からないから生きる喜びがある。人生は分からないものの上に存在する。答えを拙速に出してはいけない。
などなど
文章のみ引用したのですが、どうでしょう、裏社会の雀士なのにやたら優等生的な意見ばかりじゃない?と思うはずです。
結局、流れを掴むためにはどうしたらよいのか
ワタシになりに解釈するとこんな感じです。
プラス思考で取り組む
苦境に立たされた時こそ、自分がどうやって切り抜けることができるのか、自分が自分を試すような考え方を持つ。また、常に成長することを念頭に置いて何事にも取り組む。
どんな時も平常心で方針を貫く
チャンスに強い人とは、「ここぞ」というときに強いわけでもないし、ピンチのときだけに強みを発揮するわけではない。ピンチやチャンスのときも関係がない、日ごろの鍛錬や心がけが成果として現れているだけにすぎない。
感覚を磨く
昔、社長は勘で判断する、といった本があったような。勘で判断するのは過去の事例など多くの経験や知識を習得したからなせるワザ。
日ごろからこうした感覚を磨くように心がける。
一口いただく
この本のキーワードが「一口いただく」という言葉だ。トップアスリートには「ゾーンに入る」という表現がある。
力を入れすぎず、抜き過ぎず、欲望を抑えて「ほどほど」なサジ加減を心がけること。この一口いただく感覚がニュ―トラルな状態を保ちながら無心で物事に取り組める状態を作り上げるのである。
まとめ
どうでしょうか、株式投資を行うにあたって、必要な心構えと共通する部分というのがあると思います。
また、勝負強さを付けるためには、特別な技術や強運に頼るのではなく、日ごろの努力や成長するための心構えにあると言えます。
そもそも「流れ」とは科学的には存在しないとも言えます。勝負の世界でも流れとは人間の感情が生み出すものとも捉えることができます。
株式投資においてもコントロールできないものがあります。そんな不条理で予測がつかない株式相場だからこそ求められる「流れをつかむ技術」。皆さんもぜひご一読してみてはいかがでしょうか。心が洗われますぞ。