セルフメディケーション税制って知ってました?

昨年から始まったセルフメディケーション税制。中には知らなかった人もいるかと思います(ワタシもその一人です)。
セルフメディケーション税制とは、近所のドラッグストアで売っている市販の医薬品(OTC医薬品)を購入した場合でも、確定申告することで所得から控除される制度です。税金が安くなるならこれは活用しない手はないですよね。
セルフメディケーション制度を正しく使うために気になった点をまとめてみました。
セルフメディケーション税制の目的

国民のセルフメディケーションの推進を目的としています。ここでいうセルフメディケーションとは「自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当すること」とされています。
このことで、自分自身で健康管理を行うことを推進し、医療費の抑制にもつなげていこう、という狙いがあります。
セルフメディケーション税制を受けるための注意点
3つの条件を満たしておく必要あり
セルフメディケーション税制を受けるためには以下の3つの条件を満たさなければなりません。
- OTC医薬品の購入額が1万2千円以上であること
- 健康の維持増進および疾病の予防への取組など一定の取り組みを行っていること特定健康診査、予防接種、定期健康診断、健康診断、がん検診などを受診していること
- 確定申告を行うこと
税金はどれだけ安くなるの?
セルフメディケーション税制の説明では、1万2千円以上のOTC医薬品を購入し、年間の上限は10万円以内とする、とあります。
「おお、じゃあ、5万円分のOTC医薬品を買った場合は5万円から1万2千円を引いた差額3万8千円分が控除されるのか、超お得じゃん!」
と思うかもしれませんが、そんなうまい話はありません。
実際の減税は、1万2千円との差額に所得税率をかけて求められます。
年収400万円の方の場合、所得税率は20%、住民税率は10%となるので
(所得税)38,000円×20%=7,600円
(住民税)38,000円×10%=3,800円
11,400円の減税効果
ということで5万円実際にOTC医薬品を買ったとしても減税される金額は11,400円だけなんですよね。まあ、税金が安くなれば越したことはないんですけどね、過度な期待は禁物ということで。
健康の維持増進および疾病の予防への取組ってなんだ?
セルフメディケーション税制の適用を受けるためには、健康の維持増進および疾病の予防への取組として申告予定者が一定の取組を行っていることという条件があります。
役所言葉で一定の取り組みってなんだよ、という感じですが、平たく言うと、特定健康診査、予防接種、定期健康診断、健康診断、がん検診などを受ける必要があるという意味です。
確定申告の際にはこれらの取り組みを行っているか証明する書類(診断書等)の写しを提出する必要があります。
確定申告のお作法
確定申告をするためには、国税庁の定める明細書に、商品名、金額、購入した店舗などなど記載しておく必要があります。確定申告に備えて購入し際に受け取るレシートなどはきちんと保存しておく必要がありますね。

ちなみに確定申告の際には明細書だけの添付でよく、領収書の添付は29年分の確定申告から不要となりました。
そもそもOTC医薬品ってなんだ
OTC医薬品の対象となるかどうかは厚生労働省のホームページで確認できます。2か月に1回の割合で対象医薬品の見直しが入るようです。これからも少しずつ拡大される可能性もありますね。
ホームページ調べるのがめんどくさい場合は、アマゾンにアクセスして「セルフメディケーション税制対象商品」で検索してみると、一発でどの医薬品が対象かを調べることもできます。
ワタシが見た限りですと、有名な風邪薬(エスタック、ガスターテン、カコナール、コンタックなど)や花粉症で有名なアレグラ、禁煙するひとのためのニコレットなど、普段目にする商品もOTC医薬品として指定されています。
期限は2021年12月31日まで
セ2017年1月1日から始まったルフメディケーション税制は2021年12月31日までと決まっています。2021年にはOTC医薬品の駆け込み需要があったりして(関連銘柄に要注意?)
医療費控除との併用は不可
セルフメディケーション税制は、これまでの医療費控除のハードルが下がり、手軽に受けられる印象があります。
ただ、医療費控除とセルフメディケーション税制による控除は併用できず、どちらかを選択しなけばなりません。どちらの控除を受けるか、申告する人が判断しなければなりません。
セルフメディケーション税制を上手に活用しよう
ということでセルフメディケーション税制について注意する点をワタシなりにまとめてみました。
セルフメディケーションについては比較的ハードルが低いので、日ごろ何気なく購入する医薬品はレシートなどを保管しておくことで、賢く節税に努めていきたいものですね。