特定口座(源泉徴収ありなし)の違い

株式売買を行うのに必要なのは証券口座。証券口座には以下の3つの証券口座があります。
- 一般口座
- 特定口座(源泉徴収あり)
- 特定口座(源泉徴収なし)
たぶん株やっている人の証券口座って、特定口座の人が多いと思うんです。
ただ、ワタシの場合は、特定口座という方式が始まる前から株をやっていたもので、いまだに一般口座を利用し続けているんです。
一般口座を利用し続ける理由
特定口座という制度が始まった当初は、うう、国が税金を搾取しやすくするための制度だからこんな口座を開設してはいかん…そう思ったものです。
実際、特定口座源泉徴収ありなしでどちらが損でどちらが得なんでしょうか?
特定口座(源泉徴収あり)の場合
メリット
- 株を売却して得した場合、源泉徴収されるので確定申告不要でラクチン
- 源泉徴収された税金は所得税や住民税に加算されないので扶養控除に影響がない。また、収入や住民税を基準に決められる行政サービス(例えば児童手当や国保料の算定)に影響がない
デメリット
- 株を売って儲けた金額が20万円以下の場合でも課税されてしまう
- 株を売った利益の20%が証券残高から即時に差し引かれるなど運用資金が減り、資金効率が悪くなる
特定口座(源泉徴収なし)の場合
メリット
- 取引報告書を証券会社が作ってくれるので、確定申告時に自分で作る手間が省ける
- 税金は一括後払いのため、運用期間中の資金効率に影響がない
- 株で利益が出ても20万円以下なら確定申告する必要がない
デメリット
- 確定申告は結局自分でやらなければならない
- 確定申告した株の利益は、所得税や住民税の計算にカウントされ、児童手当や国保料などに影響がある(場合がある)
源泉徴収ありとなしどっちが有利?

ワタシになりに双方のメリットとデメリットをまとめる見ましたが、いったいどっちがお得なんでしょうね?
特定口座(源泉徴収なし)は取引報告書を証券会社が作ってくれる以外は一般口座とあまり変わりがありませんね。問題は源泉徴収ありのメリットとデメリットの比較です。
確かに確定申告しないのは楽なんです。ただし、以下のことを考慮する必要があります。
(1)年間の株の利益いくらなのか(20万円以下の場合、払わなくてよい税金を払う必要あり)
(2)年間の株の利益いくらなのか(38万円以上の場合、扶養控除から外れて税金が重くなる場合も?)
(3)年間の株の利益いくらなのか(児童手当の所得制限に引っかかったり、国保料の負担に影響が出る場合も?)
(4)配当控除を適用したほうが有利なのかどうか(適用する場合結局確定申告を行う必要あり)
(5)株の損失と配当金で損益通算する必要があるのかどうか(適用する場合結局確定申告を行う必要あり)
この(1)から(5)について、有利不利を頭に入れて特定口座の源泉徴収ありかなしかを選ぶ必要があるのです。
言ってみれば、株で儲かるか分からないし、社会保障制度への影響もそれだけ関係するか分からない中で、どちらの口座を決めろと。その結果、損しても法には従ってもらうよ、ということですよね。しかも複雑だし、分かりにくいし。
これって理不尽極まりない欠陥制度なんじゃないですかね?
などと愚痴を言っても始まりませんので、結論を申し上げますと、比較的大きな資金を運用している人や所得税率の高い収入を得ている人には源泉徴収ありを選んだほうが得になりやすいと言えます。
逆に、比較的資金も少額で、株の売買による利益を追わない人で給与収入も中流以下の場合は源泉徴収なしを選んだほうがベターと言えます。
今回調べて分かったこと
この記事を書く過程で分かったことは以下の二つ
- 特定口座の源泉徴収あり・なしは、年末ぎりぎりまで切り替えが可能
- 複数の特定口座間で損益通算が可能(できないと思っていた。もちろん確定申告が必要)
なので、特定口座もバカにしたものではないな、と。
ワタシの場合に当てはめてみますと、年収面でも配当控除を受けたほうがお得なので毎年確定申告を行う必要はありますし、ブログでパフォーマンスや売買記録を公開していますので、取引報告も自分でやる習慣がついています。
今の会社では年収が上がることは期待できなけれど、それにしても特定口座を作っておくことのメリットは大きいように感じました。
証券口座選びも個人それぞれで異なります。自分の収入、運用資産規模などを十分に考えて、税負担が軽くなる証券口座をチョイスしたいものですね。