東証REIT指数が調整中

ここまで堅調に推移してきたREITですが、11月8日の東証REIT指数は大幅下落、前日比2.58%の下落となりました。
ただ、東証REIT指数をみると、2017年11月の1603ポイントからこの2年間にかけて一直線に上昇。その上昇幅は約37%なので…
などと思ったものです。私自身REITを資産運用に組み入れるか考えているうちにどんどん上がっていってしまったので、
ということを心に決めて、上昇するREIT指数の値動きを横目に、ここまで耐えてきました。
心配なのはREITではなく国内株式
なので、東証REIT指数が下がってくれるのはむしろ投資のチャンス。我が家の資産運用面でありがたいわけですが、心配なのは国内株式のほう。
REITと国内株式の相関係数
相関係数とは、二つの値動きの関係を示したもので
Aが上がるとBも上がる →相関係数は「+」
Aが上がるとBは下がる →相関係数は「-」
Aの動きとBの動きに関係がない →相関係数は「ゼロ」
を意味しますが、東証REIT指数とTOPIXの相関係数はマイナスとされています(ネット等で調べた範囲では-0.5前後とするサイトが多いようです)。
確かにおっしゃるとおり。でも、話は簡単には終わりません。
REITは日本株の先行指標?
なぜなら、REITはTOPIXなどの国内株式の先行指標とも言われ、REITが調整するとその後にTOPIXも後を追うように調整する、ということが言われます。

上図は2010年以降の月足チャートです。上がTOPIX、下が東証REIT指数となっています。
東証REIT指数の天井圏としては、
- 2011年1月
- 2013年4月
- 2015年1月
- 2016年4月
の4回ありますが、2013年4月を除けば、東証REIT指数が天井を付けた数か月後にTOPIXが下落基調に推移していることが分かります。
REIT市場は景気変動や金利上昇などに敏感に反応すると言われます。
また、米国のREIT指数を見てもこの数日間軟調な値動きが続いているので、日本のREITが連れ安となっている、という見方もあります。

RT倍率なるものがあるそうな
REITとTOPIXの値動きを調べているときに、RT倍率なるものを知りました。これは、ファイナルシャルスターというサイト、RT倍率(REIT/TOPIX倍率)を開発しました / 1倍割れは投資のチャンスという記事です。
この記事によれば、東証REIT指数をTOPIXで割った数値が1.5倍以上となった場合、その後REITは確実に下落するとしています。
ということで、この1か月間の値動きを比較してみました。
日付 | 東証REIT | TOPIX | RT倍率 |
---|---|---|---|
11月7日 | 2232.72 | 1698.13 | 1.314 |
11月6日 | 2229.29 | 1694.45 | 1.3156 |
11月5日 | 2257.08 | 1694.16 | 1.3323 |
11月1日 | 2254.64 | 1666.5 | 1.3529 |
10月31日 | 2245.01 | 1667.01 | 1.3467 |
10月30日 | 2239.13 | 1665.9 | 1.3441 |
10月29日 | 2252.67 | 1662.68 | 1.3548 |
10月28日 | 2242.39 | 1648.43 | 1.3603 |
10月25日 | 2242.87 | 1648.44 | 1.3606 |
10月24日 | 2243.28 | 1643.74 | 1.3647 |
10月23日 | 2254.28 | 1638.14 | 1.3761 |
10月21日 | 2254.07 | 1628.6 | 1.3841 |
10月18日 | 2231.16 | 1621.99 | 1.3756 |
10月17日 | 2238.95 | 1624.16 | 1.3785 |
10月16日 | 2244.59 | 1631.51 | 1.3758 |
10月15日 | 2221.04 | 1620.2 | 1.3708 |
10月11日 | 2224.58 | 1595.27 | 1.3945 |
10月10日 | 2225.76 | 1581.42 | 1.4074 |
10月9日 | 2246.76 | 1581.7 | 1.4205 |
10月8日 | 2228.46 | 1586.5 | 1.4046 |
10月7日 | 2207.31 | 1572.75 | 1.4035 |
10月4日 | 2201.83 | 1572.9 | 1.3999 |
10月3日 | 2178.86 | 1568.87 | 1.3888 |
10月2日 | 2172.11 | 1596.29 | 1.3607 |
10月1日 | 2164 | 1603 | 1.3500 |
10月1日以降の数値を計算してみましたが、10月9日のRT倍率1.42%をピークに下落傾向で、1.5倍までは到達していない状態でなんとも微妙な数値です。
最後に

ということで、東証REIT指数とTOPIXの関係についてまとめてみました。あくまで過去は過去なので将来の値動きを保証するものではありません。でも、過去の傾向を知っておくことは大切なことだと思います。
日銀も追加緩和を匂わせる雰囲気もあって、先行きは不透明な状態です。
一時的な下落になるのか、それとも長期間に渡り、大幅下落に転じるのか?今後の東証REIT指数の値動きに注目ですね!