
先日の日記では、急落する東証REIT指数を背景に、ワタシが運用する高配当ファンドにREITを組み入れるかどうかを検討してきました。
また、ワタシが運用する高配当ファンドの概要についてはこちらをご覧ください。
手に取ったJ-REIT関連本
で、遅まきながらREITについて勉強してみようと思って手に取ったのはこの本です。
とにかくREITの魅力は高配当にあります。しかし、高配当につられて買うのは失敗のもと。正しい知識が必要ですよね。
今日は、この「不動産投信で「儲け」と「副収入」を手に入れる! はじめてのJ-REIT完全ガイドブック」についてレビューしたいと思います!
初心者でも分かりやすい良書

この本のいいところはとにかくわかりやすさが優先されている点です。
曲がりなりにも株式投資をやってきたワタシでも、REIT独自の指標があります。「NAV倍率」「FFO倍率」「LTV」などなど。こうした専門用語も初心者に平易な解説な施されています。
また、指標だけではなく、それ以外のファンドの選び方にも触れられています。不動産のセグメント(いわゆる、特化型、複合型、総合型といったREITのタイプ)の特性、スポンサー企業のチェック、有用なウェブページ、格付け会社との付き合い方…などなど
ネットでは調べられなかった情報が凝縮された本と言えます。
気を付けて読むべき点
こうした分かりやすさに特化された良書ですが、以下の点は気を付けなければならない点です。
発行時期が古い
この本は2013年に発刊された本です。筆者は、J-REITの買い推奨の理由をこれからアベノミクスや日銀金融緩和に求めています。しかし、以降、4年経過した今とあっては、金融緩和や日銀によるリスク資産の購入などいつ終わるか分かりません。
この本で書かれている推奨理由は、今では下落リスクとして認識すべきだと考えます。
一部はワタシの興味範囲外
主にJ-REITの話が中心なのですが、一部REITのファンドオブファンズや海外REITの話が含まれています。このあたりはワタシは興味がないのですっとばしました。
選別方法については言及は今一歩
初心者向け、という位置づけの本なので仕方がない部分もありますが、用語などの解説はとても充実しています。ただ、それをどのように買いに結び付けていくかまでの言及は十分とは言えません。
なので、基本的な知識をこの本で身に着けて、生きた情報はネットを参照しながら投資判断を決めていく、というスタンスでREITへの投資に取り組んでいく必要があります。
REIT投資の難しさ
この本を読んで、REITへの投資について基礎的な知識を身に着けることができました。あとはこの知識を生かすだけなのですが、多くの疑問も湧いてきました。
それはREITは長期投資に向かないのではないか、という点と頻繁な銘柄調査を要する点では、株式投資と似ているけどリターンが劣るのでは?という点です。このことについては後日に回したいと思います。
そういう疑問や気づきを与えてくれる、という意味でこの本は良書だと思います。
ワタシのようにJ-REITに投資するタイミングを逃してしまった人、J-REITを知ったときには割高で投資をあきらめた人は、この本を一度手にとっておさらいしてみるのもいいと思いますよ!